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IoT Solutions World Congress 2019 報告

開催期間:2019 年 10 月 29 日(火)-31 日(木)
開催場所:スペイン、バルセロナFira Barcelona, Gran Via
会場併催イベント:Blockchain Solutions WorldAI & Cognitive Systems Forum
主催団体:IIC(Industrial Internet Consortium) Fira Barcelona(イベント興業団体)
開催概要:参加:16000 名(主催者発表)、
出展:350 社、発表・パネル参加:300 名
次回開催:2020 年 10 月 27-29 日(開催場所同じ)
レポート:一般社団法人 情報通信技術委員会(TTC) 濱野 宏

概要
IoT Solutions World Congress(IoTSWC)はIndustry Internet Consortium(IIC)が主催するIoT の大規模なビジネスイベントで、
今年で 5 回目の開催。
IoT に関する各社の様々な取組みや、技術、ソリューションの紹介とともに、戦略、展望などの議論が展開された。
今年も日本 OMGがスタディツアーを企画し、世界の IoT ビジネスを視察。
今回のハイライトは、5G の実用展開を控えて、スマートシティや V2X などの大規模 IoT が現実味を帯びてきたことへの
期待とともに、エッジ IoT の展開に向けた議論が目立った。
エッジコンピューティングの導入で、クラウド IoT とは異なるエッジ IoT のメリットである「高いセキュリティ・プライバシ」、
「高速応答性(レイテンシ)」、「クラウドへのデータ量削減とコ  スト低減」などを期待し、両者を使い分ける対応が鮮明になりつつある。
サーバ機能や高度な AI まで搭載した高性能なエッジコンピュータを各社が提供しており、容易に実現が可能になってきた。
昨年大きく取り上げられた AI によるデータ解析は、既にIoT に不可欠の技術として取り入れられ、
また画像解析エンジンを搭載した機器やサービスの展示も多く見られた。
今回 Huawei は出展を見送った。これまで毎年出展し、Mobile World Congress(MWC、2 月 25-28 日)でも
巨大ブースを出したと聞いており意外である。Microsoft、FIWARE

Microsoft
は会場中央に巨大なブースを出展し、「Azure」クラウドサービスの「顧客へのきめ細かなサービス提供」、「エッジ高機能化」、
「エンド・ツー・エンド・セキュリティ」  をアピールするとともに、パートナー企業の多様なビジネスを 紹介する展示スペースを提供。
Windows と Office で PC 市場を独占する企業は、顧客の期待に応えるクラウドサービスの提供で、
さらに IoT 市場をも見据えているようである。

FIWARE
スマートシティの大きなジオラマをブースに設置し、プラットフォームとしてのターゲットを明確にするとともに、
パートナー各社によるスマートシティ展開事例を紹介していた。

エッジコンピューティング
HPE(Hewlett Packard Enterprise)が高性能エッジコンピュータに特化して、適用シーンに合わせた大小多様 な機種を
展示するとともに、パートナー企業の実装例を紹介するブースを展開。 また Linux 財団が運営するエッジ向け
オープンソースプロジェクトである「LF EDGE」も大きなブースを出し、メンバ企業それぞれの製品紹介を行っていた。
他に  もチップやボードなどのハードウェアや、支援するソフト開発の展示が多く見られ、高性能エッジコンピューティングによる
IoT が身近に使える環境が整ってきた。また、ソフトバンク傘下のチップサプライヤ「arm」が大きなブースを出し、
IoT 向けチップ開発の紹介だけでなく、「Pelion」と称する IoT プラットフォームを提供し、接続、デバイス、データ管理を行える環境を提示した。
テスト装置開発のキーサイトテクノロジは、無線接続からプロトコルまでワンストップで IoT を試験できるシステムを紹介し、
本格的な IoT をサポートする環境を提供していた。

5G への期待と通信企業の動向
5G ネットワークの IoT への展開期待が高まる中、無線ネットワーク接続用チップや部品、機能モジュールなど、IoT 向け通信関連
ハードウェアの展示も多く扱われていた。T-システム(ドイツテレコム)は、Siemens との連携をプレスリリースし、Industry4.0 と
それを支える「Mindsphere」オープンクラウドプラットフォームの推進を強くアピールした。
Orange(フランステレコム)もパートナー企業の展示を扱い、通信オペレータによる IoT ソリューションの支援、サポートを謳っていた。
面白いところでは、衛星による IoT で通信カバレッジを安価に補完するシステムを紹介していた(eutelsat)。

異業種の参入:スペインのトイレ業界大手の Roca 社が、「Bathroom 5.0」と称して、IoT による化粧室の空間の快適性の提供とともに、
ヘルスケア、健康管理関連の事業を目差すコンセプトを紹介した。
また基調講演ではマクラ―レンが、F1 で培ってきた遠隔センサやデータ解析技術を応用し、ヘルスケア分野への展開を目差すなど、
独自の強みを生かした新規 IoT ビジネスへの参入を目差していることが紹介された。

Vodafone のスタートアップ支援
Vodafone の新 B2C ビジネス部門としてスタートアップ支援活動の紹介があり、さまざまな企業の製品に同社の SIM を提供しつつ、
Vodafone ブランドを活用した商品プロモーションを支援。ソースネクスト B.V.社(オランダ)が「ポケトーク(多言語翻訳機)」を紹介。
またスマートドアキーや、使いやすい GPS トラッカーなど各社の製品も紹介された。
GPS トラッカーと言えば、昨年の本記事で欧米での電動キックボードの流行を取り上げたが、今年は各社がシェアキックボードとして
多くの都市でサービス展開しており、観光客などがアプリをダウンロードして気軽に活用できるサービスが提供されていた。
シエアリングモビリティの素早いビジネス展開には驚くが、日本でも海外企業や国内スタートアップが参入すると聞いており、展開が楽しみである。

IC の新しい企業連携の枠組み
IIC はこれまで、企業連携の取り組みとして TestBed 開発を多数主導し運用してきたが、今回新しく「Test Drive」と「Challenge」の
二つの活動を追加することを表明した。
ICT 主体の IIC 会員企業による Testbed 技術検証だけでなく、エンドユーザ(ICT 以外の業界)への技術提供に踏み込んで、
業界横断的な企業連携を加速する。

国、地域の中小企業支援
地元バルセロナ、カタロニア、スペインとともに、ギリシャ、オーストリア、ルーマニア、バイエルン州、フランス南部地方、スエーデン、北アイルランドなど、
欧州の各国、自治体、業界団体がそれぞれパビリオンを設け、中小企業やスタートアップの国際的な事業展開や企業マッチングの機会を提供していた。

日本企業のプレゼンスと来場者
日立、SONY が独自ブースを出展し、また NEC、オムロン、エプソンが各社独自の展示を行っていたが、概ね欧州の現地法人や販社による紹介が多かった。
但し今回は日本からの参加者を多く見かけた。国際的 な IoT ビジネスへの関心の高まりと捉えたい。
本イベントは来年も同時期の開催予定であり、是非一度ご参加のうえ IoT ビジネスの最前線を実感されたい。

 

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